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「…ひかる?」
…ン…
「…おい、ひかる」
…ンン…
「こら、風邪ひくぞ」
ぼんやり聞こえる声に重い瞼(マブタ)をやっとの思いで持ち上げる。
けれど、目にぼんやりとオレンジ色の明かりが映ると
瞼がすぐに落ちてきそうになる。
私は眉間にシワを寄せたまま両手で顔を包み込んだ。
…カラダが…だるい。
「大丈夫か?」
あっくんの声が聞こえる。
「…うん…」
何が大丈夫なのかわからないまま返事だけはしていた。
「こんなとこで寝てたら風邪ひくだろ?」
「…ごめんなさい…」
「風呂、まだだろ?」
「…うん、先に行って…」
「何言ってんだ?ひかるからだ。風呂入ってあったかくして寝ろよ」
「…うん…」
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