太巻き

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駅まであと少しの大通り。 通りの両脇は 昼間とはすっかり様子を変えて、夜の賑(ニギ)わいを見せていた。 あっくんは通りを挟んだ向かいの店の一つから、ちょうど出てきたところだった。 シックな外観でいかにも高級な…お酒を飲めるお店。 さらに言えば… …キレイなおねえさんがいるところ。 あっくんは他の男性と一緒で、その彼をタクシーに乗せて自分は周りを囲む煌(キラ)びやかな女性たちと一緒に頭を下げた。 出発するタクシーを見送ると、自分の後ろにいた彼女たちを振り返る。 あっくんは楽しげに彼女たちと言葉を交わしていた。 離れているので会話までは聞き取れないけど あっくんの表情は明るい。 華やかな大人の笑顔が、あっくんを囲んでいた。
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