太巻き

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「まったく、ぼんやりして。一人で帰れる?」 長身の理香が私を見下ろす。 「…大丈夫」 「ならいいけど。ちゃんとまっすぐ帰りなよ?知らない人について行かないこと!」 「…小学生じゃないんだから…」 私は苦笑いを浮かべた。 もしかしたら… …そんな風にしか、笑えなかったのかもしれない。 「なんなら、その幼馴染に迎えに来てもらったらいいんじゃない?」 理香が面白がって言った冗談に、私は全力で否定した。 「いいよ!大丈夫だってば!ちゃんと帰れるし!」 「…あ、そう。なら…いいんだけど」 理香も私の反応に面喰ったようだった。 私は手遅れとわかりながら変な説明文を加える。 「…あ、まだ…仕事だと思うから。仕事中に…迷惑はかけられないし」 「あっ、そう」 理香は素っ気なく答えた。
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