親友の名案

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パスタが茹で上がったのか、ひかるの手元で大きく湯気が上がる。 俺はそれを覗き込むようにしてひかるに歩み寄った。 「何のパスタ?」 「…タコとブロッコリーのペペロンチーノ」 ひかるの唇はまだわずかに尖ってる。 「いつまでタコになってんだよ?」 「…なってないもん」 「なってんじゃん」 ひかるは今度は唇を引っ込めて小さく噛む。 「…似合ってるって言ったろ?っとに、ガキだな」 「…どうせ、ガキだもん」 「…何にそんなにふくれてんだよ?」 本当にガキみたいな態度に少々こちらもイラついてきた。 けれど、ひかるは俺の気持ちをコロッと転がすんだ。 簡単に。 手のひらで。
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