親友の名案

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「私…昔からおニューの服は…一番最初にあっくんに見せに行ってたから…今日もそんな感覚だったのかも…。あっくん、いつも『かわいい』って言ってくれたのに…大人になったら可愛さが半減したんだと思って一人で落ち込んでただけ」 「…なんだよ…それ」 すると、ひかるは昔を思い出したのか尖った唇を柔らかく膨らませた。 「あの頃…小学校の頃ね、私、クラスの男子にいじめられてたの」 「…嘘だろ?」 「…ホント。いっつもちょっかい出されて、チビだとか可愛くないとか。新しいワンピースなんて着ていくと大変。みんな似合ってないとかそんなことばっかり言って追いかけてくるの」 …ちょっと、待て。 それは… あれじゃねえか? 好きな子には…意地悪したくなる…的なアレ。 どうやって関わっていいかわかんねえけど、とにかく関わりたい一心で気持ちとは逆のことを言いながらちょっかい出しちゃう…アレ。 ひかるはそれをいじめられていたと思いこんでいるらしい。
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