親友の名案

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「ひかる、お疲れ―!!」 理香とは正面玄関で待ち合わせた。 大きく手を振る理香に私は小さく手を振った。 「理香もお疲れさま」 私が言うと理香は大きく息を吐き出した。 「ホント、疲れた…。教育係がさ…男なんだけど…何か妙に色目つかってきて、気持ち悪の。『わからないことがあったら何でも聞いてねえ。僕彼女いないんだあ』って、アンタに聞きたくないし、それもアンタに聞いてないっつうの。どっかの誰かさんみたいだけど、どこの部署にも一人くらいいるのかねえ、キモ教育係」 「ちょっと理香、落ち着いてよ」 理香のあまりの勢いに、私が周りを気にしてハラハラする。 「私は至って落ち着いてるわよ。ちょっと愚痴っただけ。キモくても一応教育係だし、機嫌損ねないように上手くやるから」 理香はケロッとしている。 理香なら…要領よく…できちゃうんだろうな…。 「問題はひかるの方でしょ?さ、作戦会議、始めましょう」 理香はにっこり笑って歩き出した。
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