親友の名案

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カップはそれぞれが持参した個人のもの。 大きな木製のカップが北村本部長… ステンレスのシャープなデザインのものが…青木さん… 田部さんは赤い陶器のカップで… もちろん、私はメモを取る。 みんなのカップをお盆に並べ終わると、田部さんが隅からもう一つを取り出した。 「これ…よかったら使って。昨日ふらっと思い付きで買っただけだから、自分のお気に入りがあればそれでいいから。とりあえず今日だけでも。もう洗ってあるから」 田部さんが私にそれを手渡した。 カップは白地で黒でレトロな花模様が描かれていた。 「かわいい…私に…?」 田部さんは頷いた。 私のこと…気に掛けてくれたのかな… 「ありがとうございます!」 私はお盆にそのカップを並べた。 本部長は砂糖入り…青木さんはブラック… 田部さんは両方… メモを取って、コーヒーを入れて 私はお盆を手にして事務所に戻った。
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