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「ホットコーヒー2つとポテトのM1つ」
私たちは一番近いファーストフード店に入った。
「今日は彼が夕飯作りに来てくれるって言うから、手短にね。それにお給料日まで節約しなきゃ」
「そうだね。私も今日は…あっくん…夕飯、家で食べられるみたいだから、早く帰らなきゃ」
私は少し言葉が詰まった。
誤魔化そうとしたわけじゃないけれど、
揚げたてのポテトを指先で摘まんで口に入れた。
私は理香の前であっくんのことを呼ぶ時…
少しだけ…困ってしまう。
理香のように彼氏なら…『今日は彼が』って…言えるんだけど
あっくんは彼氏ではないのでそうは呼べず、
理香の前ではいつもあっくんは『あっくん』なのだ。
「このポテト…ちょっとしょっぱいね」
理香は指先を舐めながら視線だけを私に向けた。
上目遣いに…ニヤリと笑って。
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