親友の名案

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事務所に戻ってそれぞれのデスクにカップを置いた。 「ありがとう」 コーヒーの香りと引き換えに笑顔をもらう。 朝一番の仕事にふさわしいな…と思った。 「お、サンキュ」 青木さんの席だ。 朝の一件があった後も、会社での青木さんはいつもと何も変わらない様子だった。 ふと…私は思う。 私に彼氏がいようがいまいが、青木さんには何の関係もないことなんだ。 もともと…私に興味なんてきっとなかったんだ…。 それを理香も私も変に勘ぐって… きっと…そうだ。 そう思うとそうとしか考えられず、自分たちのしたことにも笑えてくる。 私の口元が小さく笑った。 「何笑ってんの?」 青木さんがカップに口を着けながら上目遣いに私を見る。 「…いえ、何でも…」 「ふーん。…変身後。制服も似合ってるね。かわいい」
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