親友の名案

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青木さんについて行く…ということで、 今日は工場棟へ行ったり、測定室へ行ったりと敷地内を動き回った。 青木さんは仕事のこととなると、やはり主任。 私には丁寧に教えてくれるし、説明もわかりやすい。 他の部署とのやり取りもスムーズで、時間の使い方にも無駄がなかった。 だから… 仕事の上ではいい…上司…? 私は少し…混乱していた。 青木さんて…よくわからない人。 そんな思いも頭の中をちらつきながら、私たちは生産2課のミーティングルームにいた。 今、立ち上げ準備をしている製品の試作品の打ち合わせ。 私は何もわからずただ横に座っているだけだった。 「最初は何もわからなくて当然。ただ、仕事内で使っているワードを耳に入れるだけでも今は勉強だから」 隣でそう言った青木さんはなんの疑いもない私の教育係だ。 けれど、お昼のチャイムで打ち合わせが終わり、2課の社員が先に部屋を出て行くと… 彼の態度がまた私を混乱させる。 「ねえ。こういうところで二人きりになると…ドキドキしない?」
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