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「それに彼氏じゃなくても男と一緒に住んでるんだからリアリティはあるじゃん。『彼が待ってるんで帰りまーす!』とか、ある意味嘘じゃないし」
「…そうかもしれないけど…」
「決まり!!」
「ちょっと、理香…」
「じゃあ、ひかる。あの青木にこのままプッシュされ続けてもいいの?この先、仕事帰りにご飯に…なんて、もう、明日誘われてもおかしくないんだからね?」
「…うん…」
「そんな時!『彼が待ってるんで帰りまーす!!』が効くんじゃないの!」
「…そうなんだけど…」
「もう!ひかるは難しく考えすぎ。じゃあ…。帰ったらこの話、あっくんにしてみなよ?」
「…あっくんに?」
「そう。彼と同じ部署になったことも報告するんでしょ?それと一緒にこの案も私にそうしろって言われたんだって、説明しなさい」
理香はポテトを食べ終えてその指先をもう一度舐めた。
そして、ペーパーで手を拭くと残りのコーヒーを口に含んだ。
「…あっくんがこの案に賛成したら、実行に移すわよ。これならいいでしょ?決めるのはひかるじゃなくて『あっくん』なんだから」
理香はそう言って立ち上がった。
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