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私はロッカールームに戻ってすぐに食堂に向かった。
少々気が立っているので歩き方も自然と早くなる。
友達と約束なんてしていないけど、食堂に行くと理香を見つけた。
すっかり食欲のなくなった私は、
売店でヨーグルトだけを買って、理香の向かいに座った。
理香は食堂の親子丼定食を食べていた。
席に着くなり、理香が私の顔をまじまじと見つめる。
「どーしたの?そんな顔して」
「理香…もう…どうしよう…」
私はヨーグルトにも手をつけず、理香につい先ほどのことを説明した。
「…青木さん…、嘘だって気付いてたよ…」
「へえ…」
理香は思いのほか驚かない。
「…でも…嘘じゃないって言い張ったんでしょ?」
「うん…」
「…あの人も嘘までついて避けようとしてるんだから、いい加減気付けばいいのにね?…てか、気付いてるのに…引かないのか…」
理香はプリプリの鶏肉を口に入れた。
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