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「…あっくん…ありがと…」
少し改まってあっくんにお礼を言った。
あっくんはいつものように
「…ん」
って口を閉じたまま返事をした。
私は…
目を…
逸(ソ)らした。
いつもと変わらないし
何の意味もないけれど…
目を…
…逸らしてしまった。
あっくんにこんなにも近くで顔を見つめられるのが
急に恥ずかしくなった。
思わず頬を両手で覆った。
「…どうした?ひかる?」
「う…ううん、何でもないの。もう…寝るね」
「ん、おやすみ」
「…おやすみなさい」
私はお茶を飲んでいたカップを手にして立ち上がった。
キッチンでカップを洗い、もう一度あっくんを振り返る。
「…あっくん、おやすみ…」
「おやすみ、ひかる」
あっくんも振り返った。
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