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「…と、とにかく、私遅刻しちゃうから先に食べて行くね?あっくんも早く起きてね」
ひかるは少し後ずさってベッドから降りた。
「…わかった…」
俺はぼんやり返事をした。
俺の部屋を出る前、ひかるが俺を振り返る。
「…あ」
「…ど、どうした?」
ドギマギする俺に、ひかるは少しはにかんだ笑顔を向けて言った。
「…あっくん、おはよう」
「あ、ああ、おはよ」
ひかるが行ってしまうとキッチンの方で音がし始める。
ひかるの急ぐ音。
すぐにひかるの後を追おうと思ったが…
ベッドから出られなかった。
望んでいた夢の続きに…
…生身の感触。
そして…
出て行く前のひかるの笑顔。
あの時、ひかるは…
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