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私のためにたくさんの料理も頼んでくれて、 私はテーブルの端から端まで少しずつを制覇する。 本部長の陽気なノリと田部さんの豪快さで飲み会は盛り上がっていた。 あの後、 青木さんも私に話しかけることはあっても お酒を勧めるような素振りは見せなかった。 けれど代わりに… 10時半を回り、二次会のために店に移動するときには 自身が断言していたように… ひどく…酔い始めていた。 お腹も満腹でどこか気の急(セ)く私はここで切り上げてももちろんよかったのだけれど、青木さんに先手を打たれる。 「…ひかるちゃん、もちろん、二次会も出るよね?主役がいなくちゃ意味ないし」 そして、彼の横で田部さんも言った。 「彼が迎えに来るんだったら、甘えて…もう少し…いいんじゃない?次は私のおすすめのお店でちょっとおしゃれな店なのよ?」 「じゃあ…少しだけ。途中で抜けさせてもらいます」
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