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「…幹事さんて…結構大変ですね…」
私は青木さんと田部さん、どちらに言うでもなくボソリと言った。
すると、田部さんが首を振りながら言う。
「いいの、いいの!青木くんが自分からやるって言い出したんだから」
「…ご自分で…?」
私の視線は田部さんから青木さんに向いた。
「当然だろ?可愛い後輩のため、部下のため。…ひかるちゃんのため」
「青木さん、森野でお願い…」
「こんな時くらいいだろ?さ、ひかるちゃん、乾杯」
青木さんが私のグラスに自分のグラスをぶつけた。
私はウーロン茶が来ないかと横目で確認しながら薄らと中身を口に含んだ。
その間にも青木さんはジョッキのビールをゴクゴクと喉を鳴らして勢いよく飲んだ。
「今日は…酔いたい気分なんだ」
彼は田部さんの視線をものともせずに、私だけを見て言った。
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