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満腹なのでもう食べ物は入らない… と思っていたのに、デザートを頼めばぺろりといけちゃうのだから不思議なものだ。 おまけにこの後、あっくんとラーメンを食べる約束なのだ。 ラム酒をたっぷりかけたおしゃれなバニラアイスは私のカラダに何の抵抗もなく溶けて 唇と胸の中が熱くなった。 ちょっと…ラム酒が…キツかったかな… 私は片手で顔を煽(アオ)ぎながら、目立たないようにあっくんにメールを送信する。 店の名前と場所を連絡すると、すぐにあっくんからの返信があった。 『30分で着く』 あっくんからの短い返事に、私はスマホの画面ではなく、 店の中のアナログ時計に目をやった。 私は針の位置を確認すると、残り30分になってようやく肩の力を抜いてみんなの輪の中に入った。
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