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「…すみません…そろそろ、失礼します」
時計の針が私の終わり時刻を示している。
私はまだまだ話の尽きないみんなに遠慮がちに言った。
「ああ、そうか?帰りは一人で平気か?」
本部長の声に田部さんが答える。
「大丈夫ですって。彼氏が迎えにくるんですから」
本部長と田部さんはおそらく同じくらいの量を飲んでいる。
二人は私を冷やかした。
「今日はありがとうございました。お先に失礼します」
私が席を立つと、青木さんも同時に席を立った。
「外まで送って来ます」
「え、あの…大丈夫です」
私が手振りまで付けて断ると本部長が笑った。
「さては青木、そんなこと言って襲う気だな?」
すると、青木さんは表情一つ変えずにケロリとして言った。
「まさか?彼氏持ちに興味ないっす」
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