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地下にあったダイニングバーを出て、階段を上がる。 送ると言ったって階段を上がればすぐに路上。 時間的にはもう少しかかるけれど、あっくんはすぐ近くまで来てくれるはずだ。 「青木さん、もうここで」 軽快な足取りとはほど遠い、酔ってふらついた青木さんを階段の真ん中あたりで止めた。 すると、彼は階段の壁に寄りかかりながらクスリと笑った。 「俺と彼氏、会わせたくないの?自慢の『彼』なんじゃないの?それとも一緒にいるところ見られたらマズい?でも、俺ら、変に思われる関係じゃないし、堂々としてていいんじゃない?」 彼は私に選択の余地を与えない。 彼の言っていることは正論だから。 けれど、彼のものの言い方がカチンとくる。 いつもなら受け流せてしまえるところだけど、 わずかなアルコールでも私を強気にさせるには十分らしい。 私は少しツンとして答えた。 「…いえ。送っていただくのが悪いなと思っただけです。それじゃあ、青木さん、一つ…約束していただけませんか?」
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