第一ボタン

2/35
1164人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「…フゥ…」 ロッカーのドアをパタリと閉めた。 私は会社のロッカールームで着替えを済ませたところ。 15分も寝坊をした上に… あっくんとの…やりとり。 なんとか朝食は食べたものの、 いろんな意味で… 味わってなんかいられなかった。 何でもないことのはず。 なのに、少しだけ… …何でもなくは…ない。 あっくんとは幼い頃から触れあってきた。 抱っこもおんぶもしてもらっていたのだ。 それなのに… あっくんのあの… …腕。 私を引き寄せるたくましい腕の その力に 私は今までにないあっくんを… …感じてしまったのだ。 寝不足のせいか… 頭が少しボーっとする。 「行かなきゃ」 私は最後にネームホルダーを首から掛けてロッカールームを後にした。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!