第一ボタン

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至近距離からの彼の視線が 私の目から下に降りる。 私は咄嗟に手のひらで洋服の襟の開いている部分を覆い隠した。 普通の服… 鎖骨が少しだけ見える程度の… …普通の服なのに… 彼は声をなくして笑う。 「…これが…第一ボタンの中か…」 彼の唇から覗く白い歯と、彼の熱い息を含んだ言葉に身震いした。 「青木さん、離れて…」 涙が出そうだった。 これ以上後ずされないのに後ずさって、壁に背中を強く押し当てる。 「…あれ?さっきの威勢のよさはどこにいったの?俺、まだ何もしてないよ?まだ…何も」 彼の顔がさらに距離を縮めようとした時、私の右腕が強く引かれた。 「ひかる!」 私は青木さんと壁の間からするりとあっくんの胸に引き寄せられた。 「…あっくん…!」
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