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「彼女はこのとおり…若くて、可愛くて…スタイルもいい…」
私はあっくんの背中にくっついてあっくんが羽織っていたカーディガンをキュッと摘まんだ。
あっくんが私を振り返る。
「ひかる、向かいのコンビニで待ってろ」
だけど、私は首を横に振った。
あっくんはそうして欲しそうではなかったけれど、
私は離れたくなかった。
「すみません、失礼します」
あっくんは閉じた口の内側を噛んで、青木さんの顔をほとんど見ないで言うと、背を向けた。
すると、カラダの向きを変えかけた私たちの背中から彼が言う。
「可愛くてスタイルもいいのに…全く感じないんですよ…色気を。だからわかったんです。彼女、しばらく男と寝てないなって」
彼がそう言った瞬間、摘まんでいたカーディガンがクンっと引っ張れて私の手から離れた。
あっくんは青木さんの胸ぐらを掴んでいた。
「それ以上しゃべったら階段の下へ投げ落とす」
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