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彼女の部屋は
捨てられないものたちで溢れかえっていた。
「…ひどい部屋ね…」
田部さんはボソリと呟いた。
「でもね…さっき、部屋を出るまでは…何とも思ってなかったのよ?」
私は…うれしくなった。
田部さんの気持ちが…動き始めている。
「じゃあ、やりますか」
私たちは部屋のサッシを大きく開けた。
いらないものを捨てるのは田部さんの役割。
たとえ、一目でごみとわかるものでも、
私がやっては意味がない。
私は掃除に徹し、彼女の手が進むのをじっくりと待った。
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