秘められた想い

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「…出来た…」 田部さんは部屋をぐるりと見回した。 綺麗に片付いた部屋を眺めた彼女の目には 今にも零れ落ちそうな涙が光っていた。 そして、それは、 私に 「…ありがとう…」 と言った瞬間にまっすぐに頬を流れていった。 「…こんな時間になっちゃって、ごめんなさい」 片付けを始めてからもう4時間も経っていた。 「動き回ってお腹も空いたし…なんだか甘いものが食べたくなってきた。何かあるかしら…」 田部さんが片付いたキッチンでガサゴソと探し物をする。 私もお腹が空いていたし、カラダが甘いものを欲していた。 「あ、そうだ…」
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