秘められた想い-2

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着替えの最後は第一ボタンの確認。 私はロッカーの鏡で見て確かめた後、無意識のうちに指先でボタンを確認するようになっていた。 すると、私の仕草を見ていた田部さんが不思議そうに尋ねてくる。 「…何してるの?」 私は咄嗟にこう答えた。 「…おまじない…です」 「…おまじない?」 「…はい。今日も一日頑張れるように…って」 「…ふーん、そうなんだ」 彼女が出入口に向かったので、私もロッカーを閉じて後に続いた。 部屋を出る前、私はもう一度ブラウスの第一ボタンを包むように触れた。 そう… これは…おまじない… …あっくんとの約束を守ることで… …あっくんに… …守られてる気がするの…
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