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私には任せられないほどの…重要書類…?
「そうですか…。ではお願いします」
私は乾いたばかりの指先でオートロックを解除した。
彼女が司法書士ならば、間違いなく仕事の件。
例えば不動産の売買のとき、売主と買主で別の司法書士に依頼することは珍しいことではないらしい。
それに、相手は女性なので問題はないはずだ。
えっと…唐沢…成美さん。
あっくんに連絡した方がいいのかと思ってスマホを取りに行くと、それを手にしたと同時にドアのインターホンが鳴る。
私はスマホを手にしたまま玄関に急いだ。
「わざわざ申し訳ありません」
ドアを開けて丁寧にお礼を言う。
私が玄関先で彼女からの書類を待っていると、彼女はバッグを開けるワケでもなく、私をまじまじと見つめた。
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