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…あっくんの…同業…
…司法書士さんだ。
だとすると…
「申し訳ありません。只今月島は外出していますが、いかがいたしましょうか?」
すると、彼女は顔を俯きがちに言った。
「…そうですか。あの、失礼ですが、奥様…でしょうか?」
…お、おく、奥様!?
「あ、いえ、違います!」
私が慌てて答えると、彼女はモニターの中から私を見つめた。
正確には、彼女は顔を上げ、その位置からカメラの正面に顔を向けた。
「すみませんが、お渡し願いたい書類があるので伺ってもよろしいでしょうか?」
彼女の言葉は少し早口になっていた。
「いえ、それなら私が下に参ります」
私がそう言って早々にカラダの向きを変えようとすると、彼女の声が私を止めた。
「大丈夫です。お持ちしますので」
ぴしゃりと言った彼女の声にただならぬものを感じた。
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