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あっくんと唐沢さんの電話によって、
一週間後、再び彼女と顔を合わせることになった。
こういう時は
二人がこっそりと外で会うものじゃないだろうか…
…こっそり…という表現は少し…違う。
あっくんは…
誰かと付き合っているわけでもないので
元カノだろうと、誰であろうと、
堂々と会えばいいのだ。
なのに…
…どうしてなの、あっくん…
…私に…気なんて遣わなくても…
…いいんだよ…
あっくんを見上げると、
涙が出そうになったので、
唇を小さく噛んで涙腺に蓋をした。
「…あっくん…」
何かを言おうと思ったわけじゃない。
ただ、あっくんを呼んだだけ。
「ん?ひかる、腹減っただろ?今日はひかるの好きなもん食べようぜ」
私は唇を噛んだまま頷いた。
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