今だけ

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あっくんは玄関で私をおぶったままパンプスを脱がし、そのまま私の部屋に入った。 そして、私をゆっくりとベッドに降ろして自分もその隣に腰を降ろした。 私は寝ているわけじゃない。 今更目を瞑(ツブ)って寝たフリをするわけにもいかない。 フウーと息をつくあっくんに、今更だけど謝った。 「…あっくん…わがまま言って…ごめんね……」 寝そべったままで言うと、あっくんが私を笑顔で見下ろした。 「ひかるのわがままには慣れてるよ」 あっくんはそう言って鼻で笑った後、ため息をつくように鼻から大きく息を吐いた。 「…ごめん……」 私は枕にうつ伏せになって顔を埋(ウズ)めた。 「…バーカ、冗談だよ。俺がひかるとくっついてたかったから…降ろさなかっただけだ」
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