823人が本棚に入れています
本棚に追加
……え……?
もう一度、聞き返したいくらいなのに
私は枕から顔を上げることが出来なかった。
すると、あっくんは顔を伏せたままの私の頭を撫で、私の顔がわずかにでも覗くように髪を少しだけ掻き上げた。
「……やべえな。我慢できなくなりそうだ」
そして、あっくんは笑いながら立ち上がった。
「おやすみ、ひかる」
あっくんは余韻を断ち切るように部屋を出て行った。
「…あっくん……」
「あっ…くん…」
「…あっくん…」
私はシーツを握りしめて泣いた。
それでもあっくんを追って部屋を飛び出さなかったのは
二人の気持ちが同じ方向を向いていると確信できたから。
あっくんはきっと…
この週末に一線を引いているのだと思った。
私が…
そうであるように……。
最初のコメントを投稿しよう!