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「大丈夫か?」
「ご、ごめん……」
私はあっくんの胸に手をついて密着したカラダを離そうとした。
けれど、階段の途中な上に、足元もおぼつかない。
「っとに、気を付けろよ」
あっくんが私を支えるようにして肩を抱きながら何とか階段を降り切った。
階段を降りると、私たちは一度立ち止まって向かい合った。
「まだ水曜だぞ?こんなに飲んで、明日大丈夫なのか?」
あっくんの呆れたような視線が今は辛い。
「……ごめん」
私はそう答えるしかなくなって、顔を伏せた。
「バーカ。そんな顔すんなよ。責めてるワケじゃねえよ。ひかるにも飲みたくなる日もあるもんな」
あっくんの手のひらがいつもみたいに頭に乗る。
ふわりと包むように触れるあっくんの手のひらは
幼い子供の頭を撫でる「いい子、いい子」に似ていた。
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