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ダイニングのドアが開く頃には
私はカラダを起してソファの背もたれから顔を覗かせた。
「ひかる……。起きてたのか?」
「……うん」
「寝てろって言ったのに」
「コレ、読み出したら止まらなくなっちゃって……」
私は最初の数ページしか読めていない本をもっともらしく掲(カカ)げて見せた。
「へえ、そんなにおもしれえのか?」
「…うん、面白いよ」
あっくんは上着を脱いで、ネクタイを外しながら私の隣に座った。
「俺もひかるの後で読もうかな。どんな話?」
「……言ったら……つまらないでしょ?……水、持って来るね」
私は都合よく誤魔化して冷蔵庫に水を取りに立った。
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