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私は俯いたままテーブルを拭き、あっくんの食器と自分の食べ残しの食器を片付けた。
流しの水を勢いよく出してみたけれど、
二度目のインターホンの音は
それにかき消されることもなく
部屋の中に響き渡った。
運命の鐘……
……なんて、大袈裟なものじゃないにしろ
その音は
私のカラダを身震いさせた。
「……ひかる?」
あっくんがずっと下を向いている私の顔を上げさせる。
「大丈夫だからな」
あっくんは私にそう言うと笑顔を見せて玄関に向かった。
あっくんがいなくなった場所を見つめていると
その先のベランダが目に入る。
外ではいつの間にか
雨が降り出していた……
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