決戦の週末

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いつもより遅い昼食。 案の定、私は盛り付けた半分以上を残していたけれど、あっくんはいつも通り「おいしい」と言って完食してくれた。 「ご馳走さま」 あっくんがお皿をテーブルに置くと、 まるでどこからか見ていたかのようなタイミングでインターホンが鳴った。 ビクリとカラダが大きく跳ねて、私は手にしていた水のグラスを落としてテーブルに水を零してしまった。 「ひかる、大丈夫か?」 あっくんが転げたグラスを取ろうとするので、私はそれを止めた。 「大丈夫だから。あっくんはインターホン、出て……」 あっくんはわかったと言ってモニターへ歩み寄り、画面の向こうと短く言葉を交わしてテーブルに戻った。 あっくんの目には…… 数年ぶりの彼女の姿は どう映っただろう……
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