二人の夢

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「バーカ。俺だって真面目だ。ひかるにそんなこと言われたらうれしいに決まってんだろ」 今度は少し照れたので視線だけを逸らした。 「あっくんの夢って……会社作って経営をして、……弁護士になること……?」 私が彼女が口にした言葉をそのままなぞると、 あっくんが汗で湿っぽい私の前髪をそっと掻き上げた。 「昔は……そんなことも夢見てた。 俺も若くて勢いだけはあったから、そんな夢を見てたんだ。 夢というよりも……俺の目標か。 目標は高い方がモチベーションは上がったし、 実際、その頃はそこまでやってみたかった」 初めて聞く、あっくんの夢……。 でも、 その夢には続きがあった。
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