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音を立てないように適当に掃除をした。
とは言っても、いつもひかるが綺麗にしてるから、俺はほとんど撫でる程度だ。
その後、洗濯を畳んで、シャツにアイロンを掛ける。
自分でアイロン掛けをしたのは久々だった。
「ひかる、アロン掛け妙にはえーんだよな……」
独り言を言いながら、ひかるの倍の時間を掛けて自分のシャツを済ますと、
ひかるのブラウスを手に取った。
俺のシャツと比べると、随分小さい。
だから、俺のよりもさらに難易度が上がる。
細い袖と、小さな身頃(ミゴロ)を掛けて、襟にも当てる。
そして、ある一点で視線が止まる。
……第一ボタン……
さっき外したひかるのボタン。
指には感触がまだ残る。
俺は大きく息を吐き出しながらさっさと済ますと、アイロンをやめて
もう一度ひかるの様子を見に
ひかるの部屋へ入った。
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