エピローグ

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老夫婦と一緒にエレベーターに乗り、 エントランスまで私とあっくんで送った。 「じゃあ、よろしくお願いします」 二人は頭を下げてマンションを出た。 部屋に戻ると、あっくんが早速デスクに向かった。 私はリビングのテーブルの上を片付けようとして、お盆に空になった湯呑みを乗せた。 すると、あっくんがイスを回転させて私を見る。 「ひかる、ありがとな」 「何が?」 私もあっくんを振り返る。 「ひかるが出てくれなかったら、あの二人を門前払いしちまうとこだった」 私は微笑んで首を横に振った。 あっくんは私を黙って見つめ、 少し間を置いて私を自分の膝の上に呼んだ。 「ひかる、ちょっと来い」 私は照れながらあっくんの太腿の上に遠慮がちに座った。
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