エピローグ

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私がお茶を出す頃には もう具体的な相談が始まっていた。 相続登記の相談だった。 あっくんは相手が年配なので、あまり難しい言葉を使わず、大きな声でゆっくりと話しているのがわかる。 老夫婦も真剣に耳を傾け、しばらく話すうちにあっくんの人柄に安心したのか、 笑い声を混ぜて話をしていた。 二十分ほどたった頃、どうやら相談が終わったらしく、お客さんがソファにゆったりと座り直した。 相談が済んだお客さんはどのお客さんも安堵でこういう仕草をすることが多い。 これはあっくんにも言っていない、私の観察結果だった。 私がそのタイミングで替えのお茶と小さな和三盆のお菓子を出すと、 老夫婦は笑顔を見せた。
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