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「かわいらしい方。月島先生の奥様?」
奥さんの方が尋ねてきた。
「……あ、いえ……」
私が言いかけると、横からあっくんが口を挟んだ。
「まだ違うんですけどね」
あっくんの言葉に奥さんは顔色を明るくした。
「まあ……じゃあ、これから?」
「まあ、そんなところです」
あっくんが答えると、今度は旦那さんが笑った。
「内田さんから月島先生は独身だって聞いて、家の娘はどうかと思ってたんですけど……こんな綺麗な人と決まってるならもうダメだね」
「お父さん!何言ってるの」
旦那さんは奥さんにたしなめられた。
それからご夫婦は和三盆に手を伸ばし、お茶を美味しいと言って飲んでくれた。
窓の外はいい天気だった。
「もうすぐ、梅雨が明けるわね」
奥さんは最後にそう言ってゆっくりと立ち上がった。
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