─アカネ─

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ーーー 『橘、これやっといて。』 !?!?!? 『どれ!?』 頼むからその頼み方やめて・・・ ピラッと私に差し出されるA4の封筒。 封すら開けていない。 おいおい、これ開けろってか? まさか、ついにボケたか? 転職して、早半年。 そこまで難しくない業務。 丁寧な指導があったのは最初だけ。 三ヶ月もしない内に大体のことはこなせるようにはなったものの毎度この頼み方はやめてくれない。 あなたの分身ではないのでわかんないですよ? 『内容によりますが、やりますので先に何を頼みたいのか言っていただけますか?佐々木社長?』 『これ開けて?』 ニコッと、本人的には可愛く言ったであろうが全く可愛いわけがない。 『・・・ご自分でどうぞ。』 『だって、ネイルしたばっかで指先使いたくないんだもん!!』 なにが、もん!!、だっ。 それくらい自分でヤレ!!ボケるぞ!! これだから彼氏に逃げら・・・ 『やってくれなきゃ、アカネちゃんの名前でこれ申し込むからねっ!!アカネちゃんも好きな人作りなさい!!早くしないとあっという間に重力に負けるんだからねっ!!』 なにが言いたいだ?・・・ん?申し込む? とりあえずこれ以上喚かれる訳にもいかずA4封筒を受け取る。
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