episode.4

10/14
前へ
/71ページ
次へ
「あ、そだ。なんか分からないことあったら俺に聞いてね。八雲って呼んで」 「はい!ありがとうございます!八雲さんですね」 「うん。10代の子少なくて寂しかったから理世くんが来てくれて嬉しいよ」 「何歳なんですか?」 「19だよ」 僕より4つ年上なんだ。 それでもまだ未成年で、この店で働いてる。 八雲さんは、とっつきやすくて裏のない性格に見える。 この仕事をしててそんな風に楽しそうに振る舞えるのが、僕にとっては疑問で仕方なかった。 「そういえば理世くんは30分後に予約が入ってるよ。準備とかした方が良いかもね」 「準備、ですか?」 予約が入ってる、という言葉を聞いた瞬間、身体がこわばった。 それに、準備って何? 「そ。ある程度慣らしとかないと入れる時痛いし」 そうだ。 そういう仕事なんだ。 うっすらと吐き気をおぼえる。 本能が嫌がってるように感じた。 本来の男としての立場と真逆のところにいる自分に、身体が拒否反応をしめしているようだと思った。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加