episode.4

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やっとの思いで入った1本の指ですら、苦しくて息が詰まる。 は、は、と短い息を吐くだけで、だんだん苦しくなってくる。 「ぅう…ん、ッ怜さ、ん」 なんで、昨日はできたはずなのに。 「理世くん?あと15分でお客様いらっしゃるよ。 準備できた?」 外でノックする八雲さんの声が聞こえる。 「む、むりです、僕…」 涙がぼろぼろこぼれ落ちる。 怖い。 慣らすことすら、うまくできない。 「待ってよ理世くん、時間ないよ」 「うまく…できません、」 指が入らない。 そう言うのは恥ずかしくて。 どうすればいいのかわかんなくて。 「理世くん、一旦鍵あけて」 「え、そんな、むりですっ」 ローションでぬるぬるしてるし、すぐズボンなんて履けない。 「怜さんの信用がなくなってもいいの」 その言葉で、外で八雲さんが怒ってるのがわかった。 僕に甘える権利なんてないんだと思い知った。 そのままの格好で鍵を開ける。 扉を開けて八雲さんが入ってきた。
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