199人が本棚に入れています
本棚に追加
side. 理世
「おはようございます、怜さん」
カーテンの隙間から光が差し込む頃に、リビングへ足を踏み入れる。
そこには僕の恩人である怜さんの姿があった。
「おはよう理世。今日はいつもより起きるのが早いね」
そう言って微笑を浮かべる怜さんは、上品で綺麗な人だ。
艶があり肩より下まである長い髪と中性的な顔立ちの男性で、僕を助けてくれた人。
幼い頃に親に捨てられた僕を拾ってくれた。
「今日は怜さんと久しぶりに買い物ができるから、張り切っちゃって」
そう言って僕が笑うと、怜さんも一緒に小さく笑った。
「そうだね。今日は理世の誕生日なんだから、沢山欲しいものを買っていいよ」
「ありがとうございます」
怜さんと住むこの家は高級感のある綺麗なもので、今は割と裕福な暮らしをしている。
こうして幸せに暮らせているのは全て怜さんのおかげだと思うと、感謝してもしきれない。
最初のコメントを投稿しよう!