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「失礼します」
ノックをして、指定された個室の中へ足を踏み入れる。
緊張で心臓が壊れそうなほど大きく脈をうつ。
初めての、仕事だ。
「ああ、君かい。ずいぶんと可愛らしい格好をしているね」
中にいたのは、50代くらいの男性だった。
どこにでもいるようなリーマンのようだ。
そのおじさんはにたりと笑って、立ち上がりこちらへと歩み寄ってくる。
吐き気がしたけれど、それをこらえて笑い返しながらお礼を言った。
「じゃあ、早速だけど…」
おじさんは僕の両肩を掴んで、ベッドへ押し倒した。
薄暗い照明の下に影ができる。
にこりと笑いかけながら、おじさんの服のボタンに手を伸ばした。
「初めてだから…優しくしてくださいね」
そう呟くと、おじさんは嬉しそうに笑った。
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