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今日は僕の15歳の誕生日。
やっとアルバイトができるようになる。
だからこれから少しずつ、怜さんに恩返ししていくんだ。
そう思うと嬉しくなる。
「朝食を食べようか」
「はい!」
怜さんはそう言ってにこやかに笑うと、キッチンへと歩いて行った。
食事の準備をする怜さんの後ろ姿がすごく細くて綺麗で、思わず見入ってしまった。
はっとしていつものように手伝いに行くと、誕生日くらいゆっくりしてなさいと言われた。
しぶしぶキッチンから離れて戻ると、インターフォンが鳴った。
「僕 出てきますね!」
やっと仕事が見つかったというかの如く部屋を飛び出す。
玄関の施錠を解いて扉を開けると、そこにはよく知った人物が居た。
「はろー理世ちゃん!お誕生日おめでとさーん」
「ありがとうございます!」
そこに居たのは榛さんで、怜さんの幼馴染みだった。
ちょっとノリが軽いところもあるけど、優しくてすごくイケメンな人だ。
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