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そりゃーさ、部活見て回る約束したけどさ、今日からだなんて知らなかったんだもん!
頭に入ってなかったんだもん!
なんでよりによって今日なんだ!
神様のバーカバーカ!
「ごめん、ほんと今日は外せないの! ほら、仮入部期間て何も今日だけじゃないじゃん? 明日は大丈夫だから、マジで。だから今日だけは見逃してえええええいっと」
新品の鞄は茶色の革製で、この辺の学区内じゃ三位以内に入るくらいにはデザインが可愛いことで有名だ。
その鞄の紐が早くも寿命を迎えんばかりに伸びているのを見て、私は鞄の下をつかみ勢いよく引っ張った。
「よーちゃんの薄情ものおおおおおお!」
「ごめーん、また明日ねぇー!」
ここのんの悲しい咆哮を背に、私はフルスロットルで校庭を駆け抜けた。
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