こころ

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「どーしよなー…」 旅館の外に出てもええけど、周りなんもないしなー と、考えていると 部屋から人が出てきた。 「あれ、真やん」 「神谷か」 「真は浴衣きやんの?」 さっきまで女子達が貸出浴衣に着替えていたのを思い出す。 「着せてあげるので手一杯」 両手をあげておどけてみせた。 「ははははは男子何人か向こう行ったやろ?」 「ぞろぞろと着替え中に来たわ」 と、呆れて言うと 「はぁ???真も見られたんか?!」 大きい声を出されてビックリする。 「ビックリした……。浴衣に着替えてへんやん、うちは見られてへんよ」 と、答えると 「あ、そうか」 と、アホ面になった。 「アホか」 「アホちゃう」 それからしばらく沈黙が続いた。 「……そういや、部屋入るか?」 沈黙を破ったのは神谷。 「今、大人数とおりたい気分ちゃうもん」 俯いて答えると 「大丈夫、おんの俺と筒井と中村と小林(こばやし)だけやから」 「………なら、入る」 ドアを開けて招いてくれた。 「……お邪魔します………」 部屋に入るとトランプをしてる3人。 「神崎か、いらっしゃい」 と、筒井くんが座布団を出してくれた。 「男子の部屋小さいなー」 お礼を言って部屋を見回す。 「女子のが人多いで大部屋やからな」 と、中村くん。 小林くんは無言で頷いていた。 相変わらずクール。 「二人もトランプする?」 「何しとんの」 「七並べ」 「渋!」 それからはトランプをしながら雑談をしたり、まったりと時間を過ごした。
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