こころ

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「そろそろ食堂行かなあかんな」 中村くんが時計を見てトランプを片付ける。 「あーおもろかった。なかなか小林くんがボケまくるから、めっちゃ意外やったわー」 目に涙を溜めてゲラゲラ笑う。 小林くんはクールキャラでかっこいいって女子の間で噂やったからずっとクールな子なんやと思ってたけど、全然そんなことなかった。 喋ってみるとめっちゃボケるし、アホなことばっか言っとる。 神谷いわく 「小林は人見知りなだけ」 らしい…………。 「ほな、行こか」 神谷に続いて部屋を出た。 すると、女子部屋からぞろぞろと人が出てきた所だった。 「あ!真おった!!」 「もー、真何処いっとたーん」 言われてすぐ私の後ろに目線が行く。 「あー………」 神谷を見てなるほど、という顔になる女子。 「何?」 皆の反応で顔をしかめる。 「やっぱそーやろ?」 「絶対そ?やん」 男子がはしゃぐ。 「だから、何やねん」 少しイラついて声が大きくなる。 「さっきも話しててん。真、神谷と付き合っとんのやろ?」 その言葉で思考が停止。 「は?………」 神谷を見るとポカーン。 私の顔もきっとポカーン。 「何ゆってんねん。あほらし」 と、うちが言うと 「だって、さっきも手繋ぎながら走ってたやん」 「それに部屋から出てくるし」 「絶対付き合ってるやん」 キャッキャと騒ぐ女子。 ニヤニヤ顔の男子。 「うち、そういうの解らんから付き合うとか無いで」 「俺もわからんわ」 と、二人で否定するが効力なし。 「俺らもおったんやけど」 中村くんが加勢してくれる。 「そーそートランプしてた」 筒井くんも便乗。 小林くんは安定の人見知りで首を縦に振るだけ。
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