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case:大友青氏
“蓮花ラーメン”
通勤の道すがらにある、一見何の変哲も無いラーメン店。
大友はその店が気になって気になって仕方が無い。
見るからにボロくて、飯時でも客の入ってるのをほとんど見た事が無い。
とてもじゃないが、入ってみたいとは思えないその店が、彼は無性に気になっていた。
“しゅくじょラーメン~お汁は熱々~”
古びた立て看板に、消えかけたその文字を見つけてしまってからは。
さらに噂を耳にする。
『あれ、しゅくじょじゃなくて、じゅくじょらしいぞ』
誤:淑女
正:熟女
「熟女ラーメンってなんやねえええん!!」
身悶えながら、毎日その店の前を原チャリで通り過ぎるのが日課になっていた。
大友青。
最近買ったマイホームに、悪友たちがBBQセットを持ちこんで、室内バーベキューを目論んでる事が悩みの種。
仕事も早いが、睡眠時間を削って深夜に嫁の代わりに皿を洗っていることなど誰も知らない。
行動も早い彼は、次の休みに暖簾をくぐる決意を固めた。
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