淑女ラーメン～お汁は熱々～

お熱いのはお好きですか

case：神威遊氏

神の威を借りて遊ぶ男かみーゆ。

その名の由来が後付けだと言う事は、秘密らしい。

勤め先の社長の一言で東へ西へ。

飛べと言われればバンジーだって飛べる男。

今日受けた極秘任務は。

『“蓮花ラーメン”の裏メニューを取材して来い』

と云うものだった。

彼がどれだけ忙しかろうと、社長に言われれば拒否権は無い。

「ええねんで。やれと言われたら何でもやりますよ」

隠しカメラをカバンに忍ばせ、ラーメン店の前までやって来た。

「・・・裏メニューって何やろう」

肝心なそのメニューの情報は、全く聞かされてなかった。

社長に聞くも、

『あ、その辺含めて取材してきてーや』

の一言で終わってしまった。

途方にくれそうになった彼の目に映ったのは。

ブツブツ言いながら店の看板を見つめる男。

彼がしばらくした後、店の引き戸に手を掛けるのを見て便乗しようとひらめいた。

「その前に店の外観撮らな。えーいま噂のラーメン店に来てます・・・ん？」

ビデオを回しながら、先ほどの男が見つめていたその立て看板を発見する。

「“しゅくじょラーメン～お汁は熱々～”？なんやこれ」

首を傾げながら、入店した。