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『ご自分のことだけを忘れられるって辛いことではないですか?』
『…』
巧は一度目を閉じ、今までのことを思い出しているかのように見えた。
“カシャカシャカシャッ…”
巧の一つ一つの表情を少しでも逃がさないとばかりにカメラのフラッシュ音が鳴り響いた。
『正直にいえば、これが二度目で…なぜ俺だけなのかと思ったこともあります。』
「巧…」
テレビ越しに美優がつぶやく。
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